「補欠」という言葉を、いまの育成の現場はほとんど使わなくなりました。親世代が子どもだった頃の少年サッカー、つまり上手な子だけが試合に出て残りは声を出す、という光景は、制度の面からも指導の面からも過去のものになりつつあります。チーム選びの前提が変わっているので、まず大きな流れから押さえます。
「勝つこと」より「全員が育つこと」へ
かつては上手な子だけが試合に出て、他の子はずっとベンチ、という光景が当たり前でした。いまは育成年代の大会やリーグで、できるだけ多くの選手に出場機会をという考え方が広がっています。小学生の公式戦が8人制になったのも、一人ひとりがボールに触れる回数を増やすためです。
世界はもっと先を行っている
この流れは日本だけのものではありません。むしろ世界の育成先進国の方が徹底しています。ノルウェーでは子どものスポーツに関する決まりが定められ、低い年代では全国規模の大会や順位付けをしないしくみになっています。ドイツでは、いちばん小さい年代の試合を3対3などのミニゲーム中心に切り替え、順位表をなくす改革が進められています。ベルギーは2000年代に育成を少人数制の試合中心に作り直し、その後の代表チームの黄金世代につながったと評価されています。共通しているのは「子どもの時期は、ふるい落とすより、長くたくさんプレーさせる」という考え方です。
怒鳴る指導からの転換
サッカー界では協会レベルで暴力や暴言の根絶がかかげられ、大声で怒鳴って従わせる指導は明確に時代遅れになりました。選手に問いかけて考えさせる指導や、失敗を責めずに挑戦をうながす声かけが主流になりつつあります。ただし現場のペースはチームによって差があるのが実情で、だからこそ体験や見学で実際の声かけを見ることに意味があります。
チーム選びにどう生かすか
見学のときに見たいのは、試合に出ていない子への接し方と、ミスをした子への声かけです。また「試合の出場機会はどういう方針ですか」という質問には、いまのチームは答えを持っていることが多いです。方針が家庭の考えと合うチームを選べば、入ったあとのすれ違いはぐっと減ります。
- 育成年代は「勝つこと」より「全員が育つこと」へ転換が進んでいる
- ノルウェー・ドイツ・ベルギーなど、世界はさらに徹底している
- 怒鳴る指導は時代遅れに。ただし現場の差は大きく、見学で確かめる
- 「出場機会の方針」を聞き、家庭の考えと合うチームを選ぶ
