サッカーの育成の世界的な流れは別の記事で紹介しましたが、この記事ではもう少し手前の、暮らしの部分を比べてみます。睡眠、遊び、スポーツとの付き合い方。海外と比べると、日本の当たり前が絶対ではないことが見えてきます。
日本の子どもは、世界的に見て睡眠が短い
国際的な比較調査では、日本の子どもの睡眠時間は世界でも短い部類だと繰り返し報告されています。塾や習いごと、夜遅くまでの生活リズムが背景にあると言われます。一方で、成長期の体づくりと日中の集中力を支えるのは睡眠です。練習を1回増やすことよりも、寝る時間を30分早めることのほうが効く場面は、実際には多いはずです。海外の育成環境がうらやましく見えるとき、いちばん真似しやすいのは、実はここです。
欧米は「シーズン制」で複数のスポーツをする
アメリカなどでは、季節ごとに競技を替えるシーズン制が一般的で、秋はサッカー、冬はバスケットボール、春は野球というように、複数のスポーツを経験しながら育つ子が多くいます。ヨーロッパでも、低年齢のうちは複数の運動を経験させる考え方が広く支持されています。ひとつの競技に早くから絞り込むこと(早期専門化)については、けがや燃え尽きとの関係が指摘されており、スポーツ医科学の分野では慎重な見方が主流です。日本は1つの競技に年間を通して打ち込む文化が強いですが、オフ期間や他の遊び・運動の時間は、回り道ではなく体づくりの一部と考えてよいものです。
「自由に遊ぶ時間」も練習のうち
別の記事で紹介したとおり、プロに近づいた選手は、そうでなかった選手に比べて、子ども時代に自分たちで楽しむ形でプレーした時間が長かったという研究があります。海外の育成環境の強みとしてよく挙げられるのは、施設や指導だけでなく、放課後に子どもだけでボールを蹴れる時間と場所があることです。日本の都市部では場所の制約が大きいものの、公園でのボール遊びや家の前のリフティングのような時間を「練習ではないから無駄」と考えないことが、海外との比較から学べることのひとつです。
取り入れるなら、この順番
海外のやり方をそのまま真似る必要はありません。ただ、比べて見えた「効きそうな順番」はこうです。まず睡眠時間を確保する。次に、サッカー以外の遊びや運動の時間を削りすぎない。そして、チーム選びでは詰め込み型より、心と体の余白が残る通い方を選ぶ。どれも今日から家庭でできることです。
- 日本の子どもの睡眠は国際的に短い。いちばん真似しやすい海外の強みは睡眠
- 欧米はシーズン制で複数スポーツが普通。早くから一つに絞ることには慎重論が主流
- 自由に遊ぶ時間も上達の一部。「練習ではないから無駄」と考えない
- 取り入れる順番は、睡眠→遊びの余白→詰め込みすぎない通い方
